身代わり婚約者との愛され結婚
ちなみに隣のベネディクトは挨拶に来てくれた令嬢の胸元ばかりを見ており、その一貫した様子に腹すら立たなくなってしまった。
“まぁ、他の令嬢へ声をかけに行かないだけよしとしましょう”
それでも、こんな時レヴィン様だったらどうするかしらと考え――……
“そういえば、レヴィン様も来てるのよね?”
ひっきりなしに来る挨拶の合間に、つい横目であの綺麗な濃紺の髪を探していた時だった。
「本日はご成人、おめでとうございます」
「社交界にまた大輪が咲きますな」
穏やかな微笑みで話しかけてくれたのは、つい探してしまっていたあの濃紺の髪の持ち主である……
「クラウリー伯爵、そしてご子息のレヴィン・クラウリー様ですね」
ベネディクトの身代わりとして毎月会っていたとはいえ、公式の場で挨拶をかわすのははじめてだった私たち。
当たり障りなく無難な会話をしながらちらりとレヴィン様の髪を見る。
室内だからか、いつも茶会で見る濃紺ではなく黒髪に見えて少し残念な気持ちになるものの、それでも右側だけ耳にかけた髪がさらりと揺れて相変わらず美しいと感じた。
“お父様似なのね”
“まぁ、他の令嬢へ声をかけに行かないだけよしとしましょう”
それでも、こんな時レヴィン様だったらどうするかしらと考え――……
“そういえば、レヴィン様も来てるのよね?”
ひっきりなしに来る挨拶の合間に、つい横目であの綺麗な濃紺の髪を探していた時だった。
「本日はご成人、おめでとうございます」
「社交界にまた大輪が咲きますな」
穏やかな微笑みで話しかけてくれたのは、つい探してしまっていたあの濃紺の髪の持ち主である……
「クラウリー伯爵、そしてご子息のレヴィン・クラウリー様ですね」
ベネディクトの身代わりとして毎月会っていたとはいえ、公式の場で挨拶をかわすのははじめてだった私たち。
当たり障りなく無難な会話をしながらちらりとレヴィン様の髪を見る。
室内だからか、いつも茶会で見る濃紺ではなく黒髪に見えて少し残念な気持ちになるものの、それでも右側だけ耳にかけた髪がさらりと揺れて相変わらず美しいと感じた。
“お父様似なのね”