身代わり婚約者との愛され結婚
ポツリと返されたその言葉に痛いくらい胸が跳ねた。
まさか伝わってしまったの? という焦る気持ちと、それは同じ気持ちだったから伝わったのね、という浮かれた気持ちで心が乱れる。
トクトクと高鳴る鼓動を誤魔化すように話題を探した私は、レヴィンが捲っていたパンフレットのあるページに目を止めて。
「そうだわ、今度乗馬なんてどうかしら」
「乗馬ですか?」
オペラのヒロインが新たに婚約を結んだ王太子としていたデートを思い出して口にする。
“あれはオペラだったから、実際に遠駆けなんてことはしていなかったけれど”
「あら? 私、結構体力に自信があるって言ったわよ。それとも自信がないのはレヴィンかしら」
ふふん、と少し得意げにそう伝えると、ぽかんと見ていたレヴィンがふっと小さく吹き出した。
「はい、ティナの言葉ですからちゃんと覚えていますよ」
「!」
「俺でよければ、是非ご一緒させてください」
その意思の強そうな濃い紫の瞳を柔らかに緩めたレヴィンが、そっと私の髪を一掬いし軽く口付けながらそう約束してくれて。
「……絶対、絶対絶対よ? 私、楽しみにしとくわ」
まさか伝わってしまったの? という焦る気持ちと、それは同じ気持ちだったから伝わったのね、という浮かれた気持ちで心が乱れる。
トクトクと高鳴る鼓動を誤魔化すように話題を探した私は、レヴィンが捲っていたパンフレットのあるページに目を止めて。
「そうだわ、今度乗馬なんてどうかしら」
「乗馬ですか?」
オペラのヒロインが新たに婚約を結んだ王太子としていたデートを思い出して口にする。
“あれはオペラだったから、実際に遠駆けなんてことはしていなかったけれど”
「あら? 私、結構体力に自信があるって言ったわよ。それとも自信がないのはレヴィンかしら」
ふふん、と少し得意げにそう伝えると、ぽかんと見ていたレヴィンがふっと小さく吹き出した。
「はい、ティナの言葉ですからちゃんと覚えていますよ」
「!」
「俺でよければ、是非ご一緒させてください」
その意思の強そうな濃い紫の瞳を柔らかに緩めたレヴィンが、そっと私の髪を一掬いし軽く口付けながらそう約束してくれて。
「……絶対、絶対絶対よ? 私、楽しみにしとくわ」