身代わり婚約者との愛され結婚
少し焦りながら開いたその手紙には、レヴィンらしいシンプルでどこかキッチリとした印象の字体で書かれた、馬でのお出かけに誘う文章が綴られていた。
“私も返事を書かなきゃ!”
いそいそと了承の返事と、楽しみにしている旨を書いた私は早速封を閉じようとしたのだが。
「ハンナ、押し花ってすぐ作れるのかしら」
「押し花でございますか?」
近くに控えてくれていたハンナが、私のその質問に一瞬きょとんとし――
「クラウリー伯爵令息様は幸せ者ですね」
「べっ、別にレヴィンへあげるなんて言ってないわよ!」
「あら? ではその手に持っておられる手紙はもうお出しになられますか?」
「~~ッ、最近ハンナってば少し意地悪じゃないかしら」
私の文句をふふふ、と軽く聞き流したハンナは、微笑ましそうににこりと笑う。
「アイロンを使ってすぐに作る裏技がございますよ」
「そ、そうなの!?」
「えぇ。さ、どの花を押し花にされますか?」
すぐに出来ると聞いた私は、ぱあっと表情を明るくさせた。
「アルストロメリアにするわ」
この花が持つ花言葉に、表に出来ない私の気持ちもそっと込めて。
“私も返事を書かなきゃ!”
いそいそと了承の返事と、楽しみにしている旨を書いた私は早速封を閉じようとしたのだが。
「ハンナ、押し花ってすぐ作れるのかしら」
「押し花でございますか?」
近くに控えてくれていたハンナが、私のその質問に一瞬きょとんとし――
「クラウリー伯爵令息様は幸せ者ですね」
「べっ、別にレヴィンへあげるなんて言ってないわよ!」
「あら? ではその手に持っておられる手紙はもうお出しになられますか?」
「~~ッ、最近ハンナってば少し意地悪じゃないかしら」
私の文句をふふふ、と軽く聞き流したハンナは、微笑ましそうににこりと笑う。
「アイロンを使ってすぐに作る裏技がございますよ」
「そ、そうなの!?」
「えぇ。さ、どの花を押し花にされますか?」
すぐに出来ると聞いた私は、ぱあっと表情を明るくさせた。
「アルストロメリアにするわ」
この花が持つ花言葉に、表に出来ない私の気持ちもそっと込めて。