身代わり婚約者との愛され結婚
「そうね、もしこのまま馬たちがどこかに行ってしまったら帰れなくなってしまうわ」
わざとらしく俯いてそう告げる。
“こんな言い回しをしたら、ますますレヴィンは手綱を離せないでしょうね”
俯いて隠したものの込み上げてきた笑いが堪えきれない。
この場所も馬たちと幼い頃から何度も来たのだ。
私だけではなく馬たちも慣れたもので、手綱を結ばなくてもいつものお気に入りの休憩スポットで勝手に休み、そのうち戻ってくるのがいつものルーティン。
けれどそんなことを知らないレヴィンは、帰れなくなっては困るときっと焦り、しっかり手綱を握ったまま去ってしまった私の馬を追いかけるか迷ってる――そう、思ったのだが。
「なるほど、それならば俺もティナに倣いましょう」
「え?」
そう言ったレヴィンがあっさりと手綱を手放し、逆に私が焦ってしまう。
「え? い、いいの? 帰れなくなるかもしれないのよ」
「それってつまり、ティナとずっと一緒にいれるってことでしょう」
「――ッ!」
しれっと返された言葉に、さっきまで隠れて笑っていた私は一気に顔が熱くなった。
わざとらしく俯いてそう告げる。
“こんな言い回しをしたら、ますますレヴィンは手綱を離せないでしょうね”
俯いて隠したものの込み上げてきた笑いが堪えきれない。
この場所も馬たちと幼い頃から何度も来たのだ。
私だけではなく馬たちも慣れたもので、手綱を結ばなくてもいつものお気に入りの休憩スポットで勝手に休み、そのうち戻ってくるのがいつものルーティン。
けれどそんなことを知らないレヴィンは、帰れなくなっては困るときっと焦り、しっかり手綱を握ったまま去ってしまった私の馬を追いかけるか迷ってる――そう、思ったのだが。
「なるほど、それならば俺もティナに倣いましょう」
「え?」
そう言ったレヴィンがあっさりと手綱を手放し、逆に私が焦ってしまう。
「え? い、いいの? 帰れなくなるかもしれないのよ」
「それってつまり、ティナとずっと一緒にいれるってことでしょう」
「――ッ!」
しれっと返された言葉に、さっきまで隠れて笑っていた私は一気に顔が熱くなった。