アンハッピー・ウエディング〜前編〜
お嬢さんは、改めて制服に着替えてから降りてきた。
お帰り。
「朝ご飯、ちょっと待ってな…。今弁当作ってるところだから」
お嬢さんがこんなに早く起きてくるとは、想定していなかったから。
朝ご飯まで、ちょっと待たせてしまうことになりそうだ。
すると、お嬢さんは。
「お弁当?」
きょとん、と首を傾げた。
「うん、弁当。昼に持っていく…」
「悠理君、お弁当食べるの?」
「…食べるよ。なんか問題が?」
お弁当持参とか貧乏臭い、と思ったか?
別に良いだろ。中学の時からずっとそうだよ。
俺の通ってた中学校、給食がなかったから。
「ううん。でも珍しいなぁって思って。皆お昼ご飯は、カフェテリアやレストランや、ベーカリーで買って食べてるから」
「…」
「悠理君はそうしないの?」
「…しないよ。悪かったな」
旧校舎には、カフェテリアどころか学食どころか…飲み物の自販機もないからな。
新校舎は良いな。学校の中にレストランまであって。
そういう、レストランとかベーカリーは、新校舎の生徒の為の設備であって。
旧校舎の生徒は、立ち寄ることも許されていない。
昼休みは皆教室で、大人しく持参した弁当や、コンビニで買ったパンを食べてるよ。
「そっかー。お弁当好きなんだね」
いや、お弁当が好きって言うか…他に選択肢がないからなんだけど。
でも、もし俺達にも新校舎のレストランが解放されたとしても。
多分、行かないと思う。
だって、周りを見たら新校舎のお嬢様だらけなんだろ?
とてもじゃないけど、落ち着いて食事するどころじゃないよ。
お嬢様学校のレストランともなれば、それなりの値段もしそうだしな…。
「悠理君のお弁当、美味しいもんね。学校でも食べられたら幸せだよねー」
「いや…。別に、普通の弁当だけど…」
「ねぇ、悠理君」
「…何?」
相変わらず、好奇心いっぱいの表情で。
「私にも、お弁当作ってくれないかなぁ」
とんでもない頼み事をしてきた。
お帰り。
「朝ご飯、ちょっと待ってな…。今弁当作ってるところだから」
お嬢さんがこんなに早く起きてくるとは、想定していなかったから。
朝ご飯まで、ちょっと待たせてしまうことになりそうだ。
すると、お嬢さんは。
「お弁当?」
きょとん、と首を傾げた。
「うん、弁当。昼に持っていく…」
「悠理君、お弁当食べるの?」
「…食べるよ。なんか問題が?」
お弁当持参とか貧乏臭い、と思ったか?
別に良いだろ。中学の時からずっとそうだよ。
俺の通ってた中学校、給食がなかったから。
「ううん。でも珍しいなぁって思って。皆お昼ご飯は、カフェテリアやレストランや、ベーカリーで買って食べてるから」
「…」
「悠理君はそうしないの?」
「…しないよ。悪かったな」
旧校舎には、カフェテリアどころか学食どころか…飲み物の自販機もないからな。
新校舎は良いな。学校の中にレストランまであって。
そういう、レストランとかベーカリーは、新校舎の生徒の為の設備であって。
旧校舎の生徒は、立ち寄ることも許されていない。
昼休みは皆教室で、大人しく持参した弁当や、コンビニで買ったパンを食べてるよ。
「そっかー。お弁当好きなんだね」
いや、お弁当が好きって言うか…他に選択肢がないからなんだけど。
でも、もし俺達にも新校舎のレストランが解放されたとしても。
多分、行かないと思う。
だって、周りを見たら新校舎のお嬢様だらけなんだろ?
とてもじゃないけど、落ち着いて食事するどころじゃないよ。
お嬢様学校のレストランともなれば、それなりの値段もしそうだしな…。
「悠理君のお弁当、美味しいもんね。学校でも食べられたら幸せだよねー」
「いや…。別に、普通の弁当だけど…」
「ねぇ、悠理君」
「…何?」
相変わらず、好奇心いっぱいの表情で。
「私にも、お弁当作ってくれないかなぁ」
とんでもない頼み事をしてきた。