アンハッピー・ウエディング〜前編〜
こうして、俺は毎日自分の分と、今度からはお嬢さんの分の弁当を作ることになった訳だが…。

まぁ、それは良いよ。別に。

お嬢さんの食事の世話は、元々俺の仕事だからな。

無駄にめっちゃ喜んでくれてるし、弁当を作るのは構わない。

タコさんウインナーだって、毎日用意するよ。

…しかし、お嬢さんの最近のブームは、タコさんウインナーの入ったお弁当だけではない。

もう一つある。

そして、そのもう一つのブームは…残念ながら、俺は付き合ってやれない。

と、言うのも。





「悠理くーん。あーそーぼー」

「うわっ、びっくりした」

その日の家事を終えて、自分の部屋に戻って。

今日の授業の復習と、ついでに明日の授業の予習でもしようと、学習机に向かっていた俺のもとに。

お嬢さんが、無遠慮にドアを開けて入ってきた。

…ノックくらい、しろよ。

突然の不意打ち食らって、心臓飛び出るかと思った。




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