アンハッピー・ウエディング〜前編〜
とはいえ。

寿々花さんの夢も、映画に負けず劣らずエンターテイメントだからな。

「昼寝したいって言うなら、それでも良いよ。俺一人で観るから…」

と、俺が言うと。

寿々花さんは首が取れそうな勢いで、ぶんぶんと首を横に振った。

嫌なんだって。

「悠理君と一緒に観る」

「良いのか?これ…俺もよく知らないけど、怖い映画なんだってよ。大丈夫か?」

「うん、平気ー」

…本当に大丈夫なんだよな?

途中で怖がって泣き出したりしないよな?

…まぁ、そのときは途中で再生をやめれば良いだけの話だ。

とりあえず、一緒に観てみようか。

「どれが一番怖いの?」

さぁ、どれだろうな。

ってか、一番怖い奴から観るつもりなのか?大丈夫か。

「多分…このゾンビじゃないか?」

「ゾンビかー。ゾンビって面白いよね」

何が?

ともかく、寿々花さんも乗り気なことだし。 

それじゃあゾンビ映画から観るか。

…その前に。

「先に、昼飯を済ませてからな。コーラとポップコーン摘みながら観ようぜ」

「悠理君、私炭酸ジュース飲めない」

「…」

仕方ない。

寿々花さんが昼飯食べてる間に、コンビニで飲み物買ってくるよ。

炭酸じゃないジュース…オレンジジュースでいっか。
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