アンハッピー・ウエディング〜前編〜
「良いの?本当に良いの?」
「良いよ。今回は、寿々花さんの努力を評価する」
「…」
沈みきった表情が、パッと明るくなった。
よし、それで良い。
落ち込むのは分かったけど、玄関にしゃがむのはやめような。
制服が汚れるから。
「…それで?俺に聞いて欲しいお願い事っていうのは、何なんだ?」
ずっとその為に頑張ってたんだろ?
そうまでして、俺に何をして欲しかったのか…。
…今更だけど、面倒なお願いじゃないよな?
面倒なお願い…くらいなら、まだ良い。
実現可能なお願い事であってくれよ。
「毎日朝まで一緒におままごとして」とかだったら、俺は寝不足で死んでしまう。
さすがに、そんなお願い事じゃないと思いたいが…。
「あのね、えーっと…」
「…」
「えーとね、うーん…」
…もじもじ。
「…本当に良い?本当に何でも聞いてくれる?」
「何でも聞くよ…って言いたいところだが、さすがに限度はあるぞ。実現可能なお願い事だったら聞くよ」
「そ、そっか…。じゃあ無理かな…」
…。
…もしかして、実現不可能なお願い事だったのか?
「…まぁ、何にせよ言うだけ言ってみろよ」
約束したんだからな。
もし実現不可能だとしても、努力くらいならしてみるよ。
寿々花さんだって頑張ったんだから、俺も頑張らないと。示しがつかないだろう?
言うだけならタダだよ。
遠慮しないで、まずは言うだけ言ってみてくれ。
すると。
「そ、それじゃ…言うね」
「どうぞ」
「…その…。…ん、じょうび…」
ん?
「よく聞こえなかったんだが。今何て言った?」
「え、えっと…その、誕生日…」
…誕生日?
「誕生日の…お祝いをして欲しいの」
恥ずかしそうに、もじもじと。
何を頼んでくるかと思ったら、そんなことだった。
これには、俺は思わず目が点になった。
「良いよ。今回は、寿々花さんの努力を評価する」
「…」
沈みきった表情が、パッと明るくなった。
よし、それで良い。
落ち込むのは分かったけど、玄関にしゃがむのはやめような。
制服が汚れるから。
「…それで?俺に聞いて欲しいお願い事っていうのは、何なんだ?」
ずっとその為に頑張ってたんだろ?
そうまでして、俺に何をして欲しかったのか…。
…今更だけど、面倒なお願いじゃないよな?
面倒なお願い…くらいなら、まだ良い。
実現可能なお願い事であってくれよ。
「毎日朝まで一緒におままごとして」とかだったら、俺は寝不足で死んでしまう。
さすがに、そんなお願い事じゃないと思いたいが…。
「あのね、えーっと…」
「…」
「えーとね、うーん…」
…もじもじ。
「…本当に良い?本当に何でも聞いてくれる?」
「何でも聞くよ…って言いたいところだが、さすがに限度はあるぞ。実現可能なお願い事だったら聞くよ」
「そ、そっか…。じゃあ無理かな…」
…。
…もしかして、実現不可能なお願い事だったのか?
「…まぁ、何にせよ言うだけ言ってみろよ」
約束したんだからな。
もし実現不可能だとしても、努力くらいならしてみるよ。
寿々花さんだって頑張ったんだから、俺も頑張らないと。示しがつかないだろう?
言うだけならタダだよ。
遠慮しないで、まずは言うだけ言ってみてくれ。
すると。
「そ、それじゃ…言うね」
「どうぞ」
「…その…。…ん、じょうび…」
ん?
「よく聞こえなかったんだが。今何て言った?」
「え、えっと…その、誕生日…」
…誕生日?
「誕生日の…お祝いをして欲しいの」
恥ずかしそうに、もじもじと。
何を頼んでくるかと思ったら、そんなことだった。
これには、俺は思わず目が点になった。