アンハッピー・ウエディング〜前編〜
「今度、俺の家族の誕生日でさ…。何をプレゼントしたら良いと思う?」

どんな風に切り出したものかと、色々考えていたけど。

結局、ストレートに尋ねることにした。

すると。

「おっ、何だ。誰の誕生日?ママ?パパ?」
 
「…いや、親じゃないよ…」

「っことは、妹ちゃんか!それか…美人のお姉ちゃんだな?」

…違うけど、まぁそんなもんだよ。

「そんなところだ」

「姉妹に誕生日プレゼントなんて…。星見の兄さん、あんた良い奴だなぁ」

普通、兄弟間で誕生日プレゼントをあげるとかしないの?

雛堂もよく「チビ達」って言ってるから、兄弟多いのかと思ってたんだけど。

そういう訳じゃないのかも。

「誕生日プレゼントっつったら、そりゃもうケーキだよ。でっかい誕生日ケーキ。これを用意しとけば問題ないって」

と、雛堂。

「カロリーは度外視だぞ、誕生日くらいはな。生クリームたっぷりで、カロリーもたっぷりの、でっかいケーキな。イチゴがしこたま乗ってたら、なお良し」

「あ、いや…。ケーキは用意するつもりなんだよ。ケーキの他に何か、プレゼント渡そうと思って」

「何ぃ?ケーキ以外のプレゼント…。優しい奴だな兄さんは。そこまでしてあげるのか」

何せ、初めての誕生日パーティーだからな。

ケーキは勿論用意するよ。それ以外のプレゼントが欲しい。

「本人は何て言ってるの?何が欲しいとか聞いてねぇんだ?」

「そうだな…。聞いてないな」

やっぱり本人にリクエストを聞くのが一番なのだろうか。

ハズレがないもんな。

でも、それだと味気ないって言うか…。

自分が選んであげたいじゃないか。初めての誕生日プレゼントなんだから。
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