アンハッピー・ウエディング〜前編〜
厳正なる、あみだくじの結果。

俺は今年一年…。

「それじゃ、星見君は園芸委員ね。宜しく」

「…」

やる気のなさそうな担任の先生に、さらっとそう言われた。

…畜生、やっぱりそうなるのか。

少しでも楽な…とか言ってたのが、既にフラグだったというのか?

お陰で、一年間新校舎の庭師になることが決定してしまった。

…まぁ、良いけどさ。

どうせ、他の委員もそれなりに大変だし…。

「園芸委員ですか。頑張ってくださいね、悠理さん」

「…乙無、あんたは何だった?」

「僕は風紀委員です。月イチで皆さんの服装チェックをするだけだそうですよ」

めっちゃ楽じゃないかよ。畜生。

不平等だ。やっぱり邪神教に入信するか?

許されないだろ。この不平等。

学級委員じゃなかったのは良かったけど、でもそれにしたって園芸委員なんて。

面倒臭さの極み…。

「げっ、自分文化祭委員なんだけど!?」

…と思ったけど、雛堂はもっと大変そうな委員を引き当てていた。

体育祭委員は地雷…とか言ってたのがフラグになったな。

体育祭じゃなくて文化祭委員だけど、かなり大変そうだ。

「死んだ…。自分、二学期になったら多分死んだわ…」

雛堂は呆然として、そう呟いていた。

…ドンマイ。 

俺と交換するか?園芸委員。それはそれで嫌だけどな。

「…はぁ」

決まってしまったものは仕方ない。

あみだくじで決めたんだから、恨むなら自分の運のなさを恨むしかない。

こうなったら、やってやるよ。お花畑の世話係。

家でも寿々花さんに奉仕して、学校でも女子生徒の為に花の世話をするなんて。

思ったより楽な仕事だった…ってオチにならないかなぁ…。
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