アンハッピー・ウエディング〜前編〜
超絶お上品お嬢様委員長のもと。
各学年、各クラスの園芸委員との顔合わせと。
簡単に、園芸委員の役割の説明が行われた。
園芸委員の仕事は、その名の通り、学校中の花壇と植木の手入れだそうだ。
「人はお花を見ると、気持ちが穏やかになります。だから、私達が絶えずお花の世話をして、見る人の心を癒やすお手伝いをしましょう」
…とのこと。
笑顔でそう言われてしまうと、こちらとしても頷く以外に何も出来ない。
つーか、花があるのは新校舎だけで、旧校舎の方は雑草まみれ、落ち葉まみれなんだけど?
穏やかな気持ち〜云々言うなら、旧校舎にプランターの一つでも置いてくれよ。
癒やされてんの、新校舎の生徒だけじゃん。
…なんて、口が裂けても言えないけど。
だって、別にこのお嬢様委員長が悪い訳じゃないし。
…で。
その委員長の指示で、俺達園芸委員の仕事が伝えられた。
新校舎の花壇や中庭に咲いてる、花の世話をするのが仕事なんだけど。
具体的な活動について、もっと詳細に仕事内容の説明がされた。
花の世話をするのは主に放課後で、水やりと草むしり、それから肥料をあげたり。
新しい花の苗を植えるのも、園芸委員の仕事だそうだ。
ガッツリ庭仕事だな…。いかにも面倒臭そうだ。
しかも、しばらくは放課後の活動だけだけど。
真夏の暑い時期になったら、朝早めに登校して、朝と放課後の二回、水やりをするそうだ。
たかが水やり…と思うかもしれないが、新校舎の花壇の数って、半端じゃないからさ。
一通り水をやるだけでも、結構大変だと思う。
多分俺の他にも、「面倒だな」と思っている生徒がいたことだろう。
しかし小花衣委員長は、そんな俺達の心の中を見透かしたように。
「お花は生き物です。生き物のお世話をするのは大変なことです。だから、皆さんで力を合わせて頑張りましょう」
にっこりと笑顔でそう言うものだから、こちらとしてはぐうの音も出ないって言うか。
どんな邪な考えも、お嬢様の包容力で全部浄化されていく気がする。
サボりたくねもサボれない雰囲気にしてくるの、ズルくね?
「それでは、それぞれの活動日を決めましょう。園芸委員二人ずつペアになって、決められた曜日に活動してもらいます」
と、小花衣委員長。
ペアで活動か…。一人で全部やるんじゃなくて、もう一人ペアを組んだ園芸委員と分担して、二人で水やりと草取りをするらしい。
そう思えば少しは楽だけど、問題は、ペアになった相手がサボらずに園芸委員の仕事をしてくれるかどうか、だよな。
乙無じゃないけど、正直者が馬鹿を見る時代だからな。
何だかんだ理由をつけて、すっぽかされたりして…。
そのときは、一緒になって俺もサボるよ。
適度に力を抜かないと、勉強、家事、おまけに委員会の仕事まで、全部やってられないもん。
え?不真面目だって?
勝手に言ってろ。俺は忙しいんだよ。
大体、どんなに頑張って花の世話をしても、俺達男子生徒は花を見る機会なんてないから。
そりゃおざなりになるのも、当然至極ってものだろう。
各学年、各クラスの園芸委員との顔合わせと。
簡単に、園芸委員の役割の説明が行われた。
園芸委員の仕事は、その名の通り、学校中の花壇と植木の手入れだそうだ。
「人はお花を見ると、気持ちが穏やかになります。だから、私達が絶えずお花の世話をして、見る人の心を癒やすお手伝いをしましょう」
…とのこと。
笑顔でそう言われてしまうと、こちらとしても頷く以外に何も出来ない。
つーか、花があるのは新校舎だけで、旧校舎の方は雑草まみれ、落ち葉まみれなんだけど?
穏やかな気持ち〜云々言うなら、旧校舎にプランターの一つでも置いてくれよ。
癒やされてんの、新校舎の生徒だけじゃん。
…なんて、口が裂けても言えないけど。
だって、別にこのお嬢様委員長が悪い訳じゃないし。
…で。
その委員長の指示で、俺達園芸委員の仕事が伝えられた。
新校舎の花壇や中庭に咲いてる、花の世話をするのが仕事なんだけど。
具体的な活動について、もっと詳細に仕事内容の説明がされた。
花の世話をするのは主に放課後で、水やりと草むしり、それから肥料をあげたり。
新しい花の苗を植えるのも、園芸委員の仕事だそうだ。
ガッツリ庭仕事だな…。いかにも面倒臭そうだ。
しかも、しばらくは放課後の活動だけだけど。
真夏の暑い時期になったら、朝早めに登校して、朝と放課後の二回、水やりをするそうだ。
たかが水やり…と思うかもしれないが、新校舎の花壇の数って、半端じゃないからさ。
一通り水をやるだけでも、結構大変だと思う。
多分俺の他にも、「面倒だな」と思っている生徒がいたことだろう。
しかし小花衣委員長は、そんな俺達の心の中を見透かしたように。
「お花は生き物です。生き物のお世話をするのは大変なことです。だから、皆さんで力を合わせて頑張りましょう」
にっこりと笑顔でそう言うものだから、こちらとしてはぐうの音も出ないって言うか。
どんな邪な考えも、お嬢様の包容力で全部浄化されていく気がする。
サボりたくねもサボれない雰囲気にしてくるの、ズルくね?
「それでは、それぞれの活動日を決めましょう。園芸委員二人ずつペアになって、決められた曜日に活動してもらいます」
と、小花衣委員長。
ペアで活動か…。一人で全部やるんじゃなくて、もう一人ペアを組んだ園芸委員と分担して、二人で水やりと草取りをするらしい。
そう思えば少しは楽だけど、問題は、ペアになった相手がサボらずに園芸委員の仕事をしてくれるかどうか、だよな。
乙無じゃないけど、正直者が馬鹿を見る時代だからな。
何だかんだ理由をつけて、すっぽかされたりして…。
そのときは、一緒になって俺もサボるよ。
適度に力を抜かないと、勉強、家事、おまけに委員会の仕事まで、全部やってられないもん。
え?不真面目だって?
勝手に言ってろ。俺は忙しいんだよ。
大体、どんなに頑張って花の世話をしても、俺達男子生徒は花を見る機会なんてないから。
そりゃおざなりになるのも、当然至極ってものだろう。