アンハッピー・ウエディング〜前編〜
…と、思っていたのだが。

「一年間、私があなたのペアです。宜しくお願いしますね」

そう言って、俺に向かって、にこっ、と微笑みを浮かべるのは。

誰あろう、小花衣委員長その人である。

…まさか、委員長とペアを組まされるなんて。

サボろうとか思ってたけど、絶対無理。

今ここに、園芸委員の活動日、全回出席が約束された。

寄りによって、何で俺が園芸委員長とペアを組まされるのか。

「…えーっと。ペア割って…どうやって決めたんですか?」

我ながら上ずった声で、おずおずと委員長に尋ねた。

すると。

「?くじ引きです。何か問題がありましたか…?」

「…何もないです」

委員決めのあみだくじで貧乏くじを引き、今度はペア割りでも貧乏くじを引くとは。

今日の俺のくじ運、最悪の一言に尽きるな。

「決められたペア割りに従って、責任を持って活動に取り組みましょう。それでは、今日は解散になります」

委員長の号令のもと。

今日の園芸委員の委員会は、無事に終了した。

…無事って言えるのか?これ。

何だか、とんでもなく重い宿題を課せられた気分だ。

それも、一年間ずっとな。
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