アンハッピー・ウエディング〜前編〜
雨間に光差す頃の章2
中間試験が行われた、翌々週。
いよいよ、寿々花さんの誕生日が近づいてきた。
そんなある日のこと。
「悠理さん、はい。これあげます」
と言って、乙無が小さな包み紙を渡してきた。
「…何これ?」
やけに綺麗にラッピングされてるけど…。
「指輪です」
乙無が、ドヤ顔で答えた。
…指輪?
「ほら、前に約束したでしょう?」
「…約束って、何の約束だよ?」
思い当たる節が全くないんだが。
俺が困惑していると、雛堂がドン引きの目でこちらを見て。
「…えっ?マジ?男同士で指輪をプレゼントって…。星見の兄さんと乙無の兄さん、いつの間にそんな関係に…!?」
ちょっと待て。なんか物凄い誤解を生んでる気がする。
「おい、雛堂。気持ち悪い誤解をするな。俺にそんな趣味はない」
「大丈夫、大丈夫。友達だからな。自分は兄さん達がどんな性癖だろうと、軽蔑したりしないぜ!」
だから、違うっての。
意味が分からない。何故そうなるのか。
あと、俺には既に婚約者がいるので、誰に言い寄られても無駄。
「乙無、指輪の約束ってどういうことだよ?」
「え?お守りですよ。もうすぐ誕生日なんでしょう?悠理さんのご姉妹」
「…」
…思い出した。
乙無がご執心の、邪神の加護を受けたお守り(笑)。
あれ、本当に作ってたのかよ。
「是非渡してあげてください。その指輪を身につけることによって、イングレア様のご加護を…」
「あー、はいはい。気持ちだけ受け取っておくよ」
俺じゃなくて、寿々花さんに渡せば良いんだな。
こんなものもらっても、寿々花さんも困るだろ。
「良かったら、悠理さんの分も作りますよ」
「気持ちだけ受け取っておくよ」
「…なんだ、兄さん達の愛の告白じゃなかったのか…」
雛堂は何言ってんの?
ひとまず、この謎の指輪は受け取っておくよ。
寿々花さんが喜ぶのかどうかは謎である。
いよいよ、寿々花さんの誕生日が近づいてきた。
そんなある日のこと。
「悠理さん、はい。これあげます」
と言って、乙無が小さな包み紙を渡してきた。
「…何これ?」
やけに綺麗にラッピングされてるけど…。
「指輪です」
乙無が、ドヤ顔で答えた。
…指輪?
「ほら、前に約束したでしょう?」
「…約束って、何の約束だよ?」
思い当たる節が全くないんだが。
俺が困惑していると、雛堂がドン引きの目でこちらを見て。
「…えっ?マジ?男同士で指輪をプレゼントって…。星見の兄さんと乙無の兄さん、いつの間にそんな関係に…!?」
ちょっと待て。なんか物凄い誤解を生んでる気がする。
「おい、雛堂。気持ち悪い誤解をするな。俺にそんな趣味はない」
「大丈夫、大丈夫。友達だからな。自分は兄さん達がどんな性癖だろうと、軽蔑したりしないぜ!」
だから、違うっての。
意味が分からない。何故そうなるのか。
あと、俺には既に婚約者がいるので、誰に言い寄られても無駄。
「乙無、指輪の約束ってどういうことだよ?」
「え?お守りですよ。もうすぐ誕生日なんでしょう?悠理さんのご姉妹」
「…」
…思い出した。
乙無がご執心の、邪神の加護を受けたお守り(笑)。
あれ、本当に作ってたのかよ。
「是非渡してあげてください。その指輪を身につけることによって、イングレア様のご加護を…」
「あー、はいはい。気持ちだけ受け取っておくよ」
俺じゃなくて、寿々花さんに渡せば良いんだな。
こんなものもらっても、寿々花さんも困るだろ。
「良かったら、悠理さんの分も作りますよ」
「気持ちだけ受け取っておくよ」
「…なんだ、兄さん達の愛の告白じゃなかったのか…」
雛堂は何言ってんの?
ひとまず、この謎の指輪は受け取っておくよ。
寿々花さんが喜ぶのかどうかは謎である。