アンハッピー・ウエディング〜前編〜
翌日。

宣言通り、帰りに本屋に寄ってハムスターランドのガイドブックを購入してきた。

一種類しかないんだろうと思ってたら、結構色んな種類があるのな。

店員さんに「ハムスターランドのガイドブックは何処にありますか?」って聞いたら、特設コーナーみたいなところに案内されて、ビビった。

どれにしたら良いのやら、としばらく悩んだ結果。

どれも同じようなものだろう、多分。と判断し。

とりあえず、持ち運びやすいコンパクトサイズのガイドブックにした。

軽く立ち読みしてみたけど、見開きの園内マップの他、アトラクションや売店、レストランの情報などが広く浅く載っていた。

これで、ハムスターランド初体験の寿々花さんも大丈夫なんじゃないだろうか。

そんな訳で、帰宅後。

「はい、買ってきたよ。ガイドブック」

「わーい。悠理君ありがとう」

早速、買ってきたばかりのガイドブックを寿々花さんにプレゼント。

ご注文の品は、これで良かったかな。

寿々花さんはソファに座って、やけに真剣な顔でガイドブックを読み耽っていた。

「…」

…すげー真面目なんだけど。

珍しいな…。寿々花さん、余程ハムスターランド旅行が楽しみであるらしい。

普段の勉強も、それくらい真面目に取り組んでくれたら…と思ったが。

学年どころか、全学年で一番なんだよな。成績…。文句も言えないよ。

いつもならこの時間は、雛堂にもらったホラー映画を観ているのだが、今日はホラー映画そっちのけ。

良いことだ。ホラー映画観さされずに済むなら。

じゃあ、俺はその間に洗濯物を取り込んで、夕飯を作るかな。
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