アンハッピー・ウエディング〜前編〜
夏の日差し浴びる頃の章1
―――――遠足が終わってから、二週間ばかりが経ち。

 


いよいよ、夏休みが目前に迫ってきた。
 
同時に、来たる夏休みにテンションが上がっている男が一人。

「あ〜楽しみ〜!夏だぜ、夏!高一の!夏!」

「それがどうしたって言うんだよ…?」

「うるさい人ですね。イングレア様のお声が聞こえないじゃないですか」

夏夏うるさい雛堂に、俺と乙無は眉をひそめた。

が、雛堂はそんなこと、意に介さない。

「ったく、分かってない奴らだぜ。やれやれ」

…何で呆れられなきゃいけないんだよ?

「高一の夏だぜ!?」

「知ってるよ。それが何だって言うんだよ?」

「甘い。考えが甘い!一生に一度の高一の夏休みを、棒に振るつもりか!?」

…はぁ?

ちょっと…何言ってんのか意味不明なんだけど。

聞いてもろくなことじゃなさそうだし、ここはスルー推奨か?
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