アンハッピー・ウエディング〜前編〜
「昨日もね、オムライス作ってくれたんだよ。お子様ランチの。ちゃんと旗も立ててくれたの」
「へぇー。星見の兄さんはマメだねぇ」
「うん。何作っても美味しいんだよ。朝ご飯にもねぇ、毎日お漬物漬けてくれてて…」
「熟練の主夫だな」
…おい、やめろって。
本人の目の前で、べた褒めやめろ。
気まずいって言うか…。気恥ずかしいって言うか。
「実家のシェフが作ってくれた料理より美味しいの」
「…寿々花さん、それは言い過ぎだって」
そんなこと言ったら、無月院家お抱えの料理人が泣くぞ。
「何で?本当のことなのに。悠理君が一番だよ」
「いや、だから。比較対象が間違ってるんだって」
「何で?私は悠理君のご飯が一番美味しいと思ってるのに、そう言っちゃいけないの?」
「え?いや、えーっと…それは…」
…そんな、どストレートに褒められてしまうと。
こちらとしては何も言えない。
「…畜生…。リア充共め、見せつけてきやがる…」
「親同士の許嫁と言いながら、お互い満更でもないって感じですね」
雛堂が憎々しげに、乙無は達観したように、それぞれ何か呟いていた。
「こうなったらやけ食いだ。とうもろこしときゅうり、一本まるまる平らげてやるぜ!」
そう言って、雛堂は片手にとうもろこし、片手にきゅうりの一本漬けを手に取った。
お、おぉ…?よく分からんが、まぁ好きに食べてくれ。
「悠理君も食べて、りんご飴。凄く美味しいよ」
「あ、うん…。そうだな」
デザートから先に食べる感じ?
まぁ良いか。今日ばかりは、順番なんて気にせず。
家の中で屋台気分が味わえるって、悪くないな。
何より、寿々花さんが凄く楽しそうで良かった。
「へぇー。星見の兄さんはマメだねぇ」
「うん。何作っても美味しいんだよ。朝ご飯にもねぇ、毎日お漬物漬けてくれてて…」
「熟練の主夫だな」
…おい、やめろって。
本人の目の前で、べた褒めやめろ。
気まずいって言うか…。気恥ずかしいって言うか。
「実家のシェフが作ってくれた料理より美味しいの」
「…寿々花さん、それは言い過ぎだって」
そんなこと言ったら、無月院家お抱えの料理人が泣くぞ。
「何で?本当のことなのに。悠理君が一番だよ」
「いや、だから。比較対象が間違ってるんだって」
「何で?私は悠理君のご飯が一番美味しいと思ってるのに、そう言っちゃいけないの?」
「え?いや、えーっと…それは…」
…そんな、どストレートに褒められてしまうと。
こちらとしては何も言えない。
「…畜生…。リア充共め、見せつけてきやがる…」
「親同士の許嫁と言いながら、お互い満更でもないって感じですね」
雛堂が憎々しげに、乙無は達観したように、それぞれ何か呟いていた。
「こうなったらやけ食いだ。とうもろこしときゅうり、一本まるまる平らげてやるぜ!」
そう言って、雛堂は片手にとうもろこし、片手にきゅうりの一本漬けを手に取った。
お、おぉ…?よく分からんが、まぁ好きに食べてくれ。
「悠理君も食べて、りんご飴。凄く美味しいよ」
「あ、うん…。そうだな」
デザートから先に食べる感じ?
まぁ良いか。今日ばかりは、順番なんて気にせず。
家の中で屋台気分が味わえるって、悪くないな。
何より、寿々花さんが凄く楽しそうで良かった。