アンハッピー・ウエディング〜前編〜
朝から携帯に、母さんからのメールが入ってたよ。
誕生日おめでとうってさ。
誕生日を誰かに覚えていてもらって、こうして祝福してくれる人がいるっていうのは、いくつになっても嬉しいもんだよな。
…とはいえ、基本的に俺の誕生日を祝ってくれるのは毎年、母さんだけしかいない。
というのも、俺の誕生日ってほら。夏休みじゃん?
学校が休みの時に誕生日だとさ。クラスメイトに祝ってもらえないんだよな。
まぁ、しょうがないんだけどさ。
なんか、ちょっと寂しいような、損したような気持ちになるよな。
しかし、今年は母さんだけではなく。
祝ってくれる人が、他にもいる。
部屋で着替えて、一階のリビングに降りると。
「…お…?」
「…zzz…」
寿々花さんがリビングのソファにもたれて、こっくりこっくり、船を漕いでいた。
珍しいな。この時間に寿々花さんがリビングに降りてきてるなんて…。
いつもなら、自分の部屋で寝息を立てている時間だろう?
「おはよう、寿々花さん…。って、寝てるけど…」
「…zzz…」
「…まぁいっか。この間に朝飯作ろう」
俺はいつも通りキッチンに向かって、朝食の用意を始めた。
誕生日だからといって、特にいつもより豪華な朝食…ということはない。
いつも通り、味噌汁と卵焼きとご飯、そしていつもの糠漬けというメニューである。
まぁ、朝だしな。
その代わり夕飯は、いつもよりちょっと豪華にしようかな…と、考えていると。
「…ふぇ?」
「あ、起きた…」
丁度朝食が出来上がった頃に、寿々花さんの目がぱちっ、と開いた。
「おはよう。何でこんなところで寝てたんだ?」
「…あれ?悠理君…」
寿々花さんは、しばし俺の顔をじーっと見つめていた。
…どうした?
「…いつの間に悠理君、起きてきたの?ワープした?」
「いや、してねぇけど…。普通に起きたよ。いつも通りの時間に」
「…私、何してた?」
「…?寝てたよ」
そこ。ソファに座って。
で、あんた何で今朝に限って、こんなところで寝て、
「…!そうだった」
突然寿々花さんは、慌ててソファから立ち上がり。
「悠理君、誕生日おめでとー!」
と、誕生日を祝福してくれた。
「お、おぉ…ありがとう」
「あのね、一番に悠理君のお誕生日をお祝いしてあげようと思って」
それで、リビングで待ち構えてたのか?
ソファに座って、俺が起きてくるのを待ってたのか。
…でも、眠気に抗えず、ソファに座ったまま居眠りしてしまったと…。
…実に寿々花さんらしくて、微笑ましくなってくるな。
誕生日おめでとうってさ。
誕生日を誰かに覚えていてもらって、こうして祝福してくれる人がいるっていうのは、いくつになっても嬉しいもんだよな。
…とはいえ、基本的に俺の誕生日を祝ってくれるのは毎年、母さんだけしかいない。
というのも、俺の誕生日ってほら。夏休みじゃん?
学校が休みの時に誕生日だとさ。クラスメイトに祝ってもらえないんだよな。
まぁ、しょうがないんだけどさ。
なんか、ちょっと寂しいような、損したような気持ちになるよな。
しかし、今年は母さんだけではなく。
祝ってくれる人が、他にもいる。
部屋で着替えて、一階のリビングに降りると。
「…お…?」
「…zzz…」
寿々花さんがリビングのソファにもたれて、こっくりこっくり、船を漕いでいた。
珍しいな。この時間に寿々花さんがリビングに降りてきてるなんて…。
いつもなら、自分の部屋で寝息を立てている時間だろう?
「おはよう、寿々花さん…。って、寝てるけど…」
「…zzz…」
「…まぁいっか。この間に朝飯作ろう」
俺はいつも通りキッチンに向かって、朝食の用意を始めた。
誕生日だからといって、特にいつもより豪華な朝食…ということはない。
いつも通り、味噌汁と卵焼きとご飯、そしていつもの糠漬けというメニューである。
まぁ、朝だしな。
その代わり夕飯は、いつもよりちょっと豪華にしようかな…と、考えていると。
「…ふぇ?」
「あ、起きた…」
丁度朝食が出来上がった頃に、寿々花さんの目がぱちっ、と開いた。
「おはよう。何でこんなところで寝てたんだ?」
「…あれ?悠理君…」
寿々花さんは、しばし俺の顔をじーっと見つめていた。
…どうした?
「…いつの間に悠理君、起きてきたの?ワープした?」
「いや、してねぇけど…。普通に起きたよ。いつも通りの時間に」
「…私、何してた?」
「…?寝てたよ」
そこ。ソファに座って。
で、あんた何で今朝に限って、こんなところで寝て、
「…!そうだった」
突然寿々花さんは、慌ててソファから立ち上がり。
「悠理君、誕生日おめでとー!」
と、誕生日を祝福してくれた。
「お、おぉ…ありがとう」
「あのね、一番に悠理君のお誕生日をお祝いしてあげようと思って」
それで、リビングで待ち構えてたのか?
ソファに座って、俺が起きてくるのを待ってたのか。
…でも、眠気に抗えず、ソファに座ったまま居眠りしてしまったと…。
…実に寿々花さんらしくて、微笑ましくなってくるな。