アンハッピー・ウエディング〜前編〜
それからしばらく、雛堂と乙無の三人で人生ゲームを楽しんだが。
三回やって、一回目の人生はブラック企業で低賃金で一生扱き使われ。
二回目の人生は、結婚して子供が出来るも、離婚されて慰謝料をぶん取られ。
三回目の人生は、詐欺師に騙されて億単位の借金地獄。
ろくな人生じゃなかった。
ひでぇよ、これ。最近の人生ゲームって、こんな世知辛いの?
ゲームでさえ、思い通りにならない人生なんて。
一方雛堂は三回共、大金持ちではないものの、特に借金もなく。
比較的安定した、順風満帆な人生を送った。
更に乙無は、三回共大富豪で左団扇の人生。
この格差よ。
ルーレットを回す度に、俺の人生は悪い方に転がっていき。
対する乙無は、ルーレットを回す度に、思わぬ幸運に恵まれていた。
あまりにも酷くて、俺は途中からもう、能面みたいになってたよ。
そんな俺に、さすがの雛堂も気を遣ってくれたらしく。
三回目のゲームが終わった後。
「なんか、うん…。よし、今日はもう帰るか!」
物凄く不自然に、人生ゲームを切り上げた。
あぁ、そうしてくれ。
このまま四回目の人生を始めようものなら、今度はもう、ある日突然通り魔に刺されて死ぬんじゃないの。
それくらい酷い人生だった。
「そんじゃ、星見の兄さん。またな!今度アイス奢るから、元気出してくれ」
「あぁ…。期待せずに待ってるよ」
アイス一個じゃ割に合わんよ。俺の今日一日の不幸の積み重ねを考えたら。
…でも、雛堂と乙無が来てくれて助かったかも。
少なくとも、気は紛れたからな。
二人が帰って一人にから、俺は再び寿々花さんと円城寺のことを思い出した。
今頃、オペラ終わったかな?
これから一緒に、高級レストランにフレンチのフルコースを食べに行くんだろうか。
ドレス姿の寿々花さんが、気取った円城寺と仲良く歩いている姿を想像して。
「…ちっ」
俺は、思わず舌打ちを漏らしたのだった。
三回やって、一回目の人生はブラック企業で低賃金で一生扱き使われ。
二回目の人生は、結婚して子供が出来るも、離婚されて慰謝料をぶん取られ。
三回目の人生は、詐欺師に騙されて億単位の借金地獄。
ろくな人生じゃなかった。
ひでぇよ、これ。最近の人生ゲームって、こんな世知辛いの?
ゲームでさえ、思い通りにならない人生なんて。
一方雛堂は三回共、大金持ちではないものの、特に借金もなく。
比較的安定した、順風満帆な人生を送った。
更に乙無は、三回共大富豪で左団扇の人生。
この格差よ。
ルーレットを回す度に、俺の人生は悪い方に転がっていき。
対する乙無は、ルーレットを回す度に、思わぬ幸運に恵まれていた。
あまりにも酷くて、俺は途中からもう、能面みたいになってたよ。
そんな俺に、さすがの雛堂も気を遣ってくれたらしく。
三回目のゲームが終わった後。
「なんか、うん…。よし、今日はもう帰るか!」
物凄く不自然に、人生ゲームを切り上げた。
あぁ、そうしてくれ。
このまま四回目の人生を始めようものなら、今度はもう、ある日突然通り魔に刺されて死ぬんじゃないの。
それくらい酷い人生だった。
「そんじゃ、星見の兄さん。またな!今度アイス奢るから、元気出してくれ」
「あぁ…。期待せずに待ってるよ」
アイス一個じゃ割に合わんよ。俺の今日一日の不幸の積み重ねを考えたら。
…でも、雛堂と乙無が来てくれて助かったかも。
少なくとも、気は紛れたからな。
二人が帰って一人にから、俺は再び寿々花さんと円城寺のことを思い出した。
今頃、オペラ終わったかな?
これから一緒に、高級レストランにフレンチのフルコースを食べに行くんだろうか。
ドレス姿の寿々花さんが、気取った円城寺と仲良く歩いている姿を想像して。
「…ちっ」
俺は、思わず舌打ちを漏らしたのだった。