アンハッピー・ウエディング〜前編〜
さて、そんな作者の個人的な事情は置いておいて。

そろそろ、登場人物の紹介をしましょう。

えー、まずは主人公。星見悠理さん。

…意外と普通な名前だな。

『星と月と恋の話』のときみたいな。あのときも登場人物、ありきたりみたいな名前でしたもんね。

あんまり悩みませんでした。悠理君の名前は。

結構好きな名前です。ゆうり。響きが良いよね。

名前は悩みませんでしたけど、キャラの位置付けは結構悩んだと言うか…。

前編の前半、2章くらいまでは、実は相当苦しかったんですよ。書くの。

悠理君も寿々花さんも、立ち位置がはっきりしないって言うか。

ふわふわしてたんですよね。自分の中で。

正直、挫折しそうになったことも数回。

それでも頑張って書き続け、3章になる頃には落ち着きました。

今は凄く楽しいです。

泳ぎ始めは疲れるけど、波打ち際を越えたら途端に楽に泳げる、みたいな。あの現象ですね。

悠理君はともかく、寿々花さんの方が書くの辛かったな…。どっちかと言うと。

さて、話を戻しまして悠理君。

今作の主人公ですね。

最初は、悠理君視点と寿々花さん視点、交互に書くのも良いかなと思ってたんですが。

結局、終始悠理君視点で物語が進んでおります。

相変わらず、男主人公の方が性に合ってるんだと思います。

『アンドロイド・ニューワールド』のときも、『星と月と恋の話』のときも、珍しく女の子主人公だったじゃないですか。

いや、瑠璃華ちゃんはアンドロイドだから、厳密には女の子とは言えないかもしれませんけど。

とにかく、しばらく女の子主人公が続いたので、今度は男主人公にしたいな、と。

基本的に男主人公ですよね。私。

10年経っても、やっぱり男主人公を書いている作者。

成程、さては10年前から全く進歩してないな?

序盤こそキャラを掴めずに苦労した悠理君ですが、ストーリー中盤の現在は、かなり自由に扱えるようになってきました。

『星と月と恋の話』の結月君もそうでしたけど、この悠理君も相当ポテンシャル高いですね。

家事全般得意。特に料理が上手。

糠漬けを自分で作る男子高校生って、なかなか珍しいと思いますよ。

絶妙に所帯染みてるところが、また良いですよね。気取らないって言うか。

お洒落なキッシュやローストビーフを作ってくれる彼氏も良いですけど。

冷蔵庫の中の有り合わせで、ささっと親子丼とか他人丼を作ってくれる彼氏の方が、魅力的だと思いません?

そういえば、家が母子家庭ってところも、結月君と被ってますね。

悠理君が結月君と違うところは、悠理君は結月君ほど裁縫が得意じゃないってところと、マザコンじゃないってところかな。

あとは性格が全然違う。

自分で書いてて思いましたけど、「まぁいっか」って、悠理君の口癖ですよね。

3ページに一回くらいは言ってるような気がする。

何事が起きても、淡々と受け止めてる印象。

そんな悠理君ですが、本当は結月君じゃなくて。

『神殺しのクロノスタシス』のジュリスがモデルだったりします。

ちなみに寿々花さんのモデルは、勿論ベリクリーデちゃんな。

え?気づいてたって? 

気づいてたあなたは賢いです。さては桜崎上級読者様だな?

そう。今作は『神殺しのクロノスタシス』で決して(恋愛的な意味で)くっつくことのない二人を、どうしてもくっつけてあげたかった桜崎が。

別の世界の別の作品で、フラストレーションを発散させる為に書いた作品だったりします。

どうしてもくっつけたかったんですよ。でもクロノスタシス本編だと、二人をくっつける訳にはいかなくて。

仕方ないから、別の作品で似たようなキャラを出し、思う存分イチャイチャさせようと思って。

…まぁ、言うほどイチャイチャしてませんけどね。現状。



何だか長くなりましたが、次に寿々花さんの解説。

えー、お名前は無月院寿々花さんです。

桜崎お得意の、無月院さん家がまたしても登場。何度目だ?これ。

ってことは、悠理君はあれか。ツンデレナイトの黒羽と遠い親戚ってことか。

まぁ、時間がね。時間軸がそれぞれ違ってるので、お互いに相見えることは(今のところ)なさそうですが。

悠理君の名前は特に悩みませんでしたが、寿々花さんの名前は相当悩みました。

ギリギリまで悩んでました。本当に。

序盤の頃、寿々花さんの名前って出てこなかったじゃないですか。 

頑なに隠して。悠理君はずっと「お嬢さん」呼びでしたし。

何であれほど寿々花さんの名前の発表を引っ張ってたかというと、なかなか名前が決まらなかったからです。

そんなどうでも良い理由で…。

大抵見切り発車で作品を書き始めるんでね、私。せめて名前くらい決めてから発車しろよ、と我ながら思います。

寿々花さんの名前の候補は、いくつかありました。

何だったかな…。ちょっとプロットメモを見てきます。

色々ありました。「あやめ」とか「桜良(さくら)」とか。

花の名前にしたかったようですね。というのも、椿姫お姉ちゃんの名前の方が先に決まってまして。

姉がツバキなんだから、妹も花の名前で統一しようかなーと。

特に「桜良」は、「寿々花」と並んで最後の二択まで残ってました。

一度は「桜良」にしたんですが、字面的に、三文字の方が可愛いかなと思って。

結局、今の寿々花ちゃんになりました。

花の名前以外にも、「美朱(みあか)」とか「睦月(むつき)」とかが候補だったみたいです。メモに残ってた。

皆さんはどの名前が推しでしょうか。

キャラクターの名前を考えるのって、楽しい時間でもあり、なかなか決まらなくてもどかしい時間でもあります。

思いつくときはあっさり思いつくんですが、思いつかないときはマジで数日悩みます。

さて、そんな風に桜崎を悩ませてくれた寿々花ちゃん。

前述の通りベリクリーデがモデルなので、普段からぽやーんとして、掴み所がないのが特徴です。

珍しく、主人公より一つ年上のヒロインですね。

年上のはずなのに、言動が子供っぽいので全然そんな風には見えません。

寿々花ちゃんがこれほど子供っぽいのは、本編の中で悠理君が言っている通り。

子供時代に、全然子供らしいことをさせてもらえなかったせいです。

悠理君に会って、初めて子供らしく甘えさせてもらえるようになりました。

にしても、シャボン玉で喜ぶ寿々花ちやん…。可愛い。

普段は抜けているのに、勉強はめちゃくちゃ出来ます。

当初の設定では、勉強の方も全然出来ない予定でした。

足し算引き算も怪しいレベルで、年下の悠理君に教えてもらう…みたいなシチュエーションを考えていたんですが。

むしろ、勉強だけは物凄く良く出来る、というギャップが良いかなと思って、学年一、いえ学校一の秀才になってもらいました。

いやはや、寿々花ちゃん凄い。

それから、ちょいちょい寿々花ちゃん、夢の話をしていますが。

寿々花ちゃんは当初から、若干不思議ちゃん設定みたいなものがありまして。

最初はもっと色んな設定がありました。人の寿命が見えるとか、共感覚持ちとか。

というのも、モデルがベリクリーデちゃんなので、その名残みたいなものです。

あっちは本物の神様だからな。

さすがに、あんまり盛り過ぎても扱いきれなくなるので、不思議な夢を見る程度に収まってますが。

あんな夢を見てる時点で、充分不思議ちゃんだよ。

しかし彼女が見る夢、何処かで聞いたことがあるような…?

これも桜崎活動10周年を祝した、作者なりのちょっとした遊び心です。

本編には全く関係ないので、特に気にする必要はありません。
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