アンハッピー・ウエディング〜前編〜
俺がスマホで調べてみたところ、この付近にあるケーキ屋は3軒。
そのうち、一番近くにあるケーキ屋に向かった。
「わーい。ケーキだー」
ガラスのショーケースに、整然と並べられたカットケーキを見て。
お嬢さんは、子供のように喜んでいた。
良い歳して、ケーキで大興奮するんじゃない。
せめて、店員さんの見てないところでやれ。
恥ずかしいだろ。
「ほら、好きなの選べよ」
確かチョコケーキが良いんだっけ?夢の中に出てきたとか言ってた…。
さすがに、夢で見たのと全く同じケーキは売ってないと思うけど…。
チョコケーキなら置いてあるぞ。チョコクリームケーキとザッハトルテとガトーショコラと…。
しかし、お嬢さんの目には適わなかったらしく。
「うーん…。…どれも美味しそうだけど、何だか種類が少ないね」
え、そうか?
「こんなものじゃないのか…?」
ケーキの種類なんて、俺、よく知らないけど…。
ショートケーキ、チーズケーキ、チョコケーキ、抹茶ケーキ…あとモンブランがあれば、一通り揃ってるんじゃないの?
あとは、プリンとシュークリームがあれば完璧。
他に何を求めてるんだ。
ましてやこのお店、さっき行ったファミレスのように、全国チェーンのお店ではなく。
個人経営の、小さなケーキ屋である。
街のケーキ屋さん、っといったただ住まいだ。
なら、こんなもんじゃないの?
「だって、夢の中だともっといっぱい、色んな種類のチョコケーキがあったよ?」
「いや…それは夢の中だから。現実だとこんなもんだろ…」
「ザッハトルテにガトーショコラに、オレンジチョコといちごチョコとチョコマシュマロケーキに、チョコロールケーキとチョコナッツとチョコキャラメルと、チョコプリンとチョコシュークリームが、全部一つのテーブルに乗ってたんだ」
チョコケーキバイキングか何か?
「何処で買ってきたんだ、そんなに…」
「行きつけのケーキ屋さんだって」
何処だよ、それは。
でも、それも全部夢の中の話だろ?現実じゃ無理だよ。
ましてや、街のケーキ屋さんでそれだけの種類を揃えるのは無理。
大体、そんなに買っても食べ切れないだろ。
鼻血出るぞ。チョコの食べ過ぎで。
…って、あれは迷信なんだっけ?
ともかく。
「妥協しろ、妥協。夢と同じには出来ないよ」
「そっかー、仕方ない…。…じゃ、妥協して…こっちからこっちまで、全部2個ずつ下さい」
なんつー注文してるんだ。
人生で一度はやってみたい大人買いしてんじゃねーぞ。
「えっ…。こ、ここからここまで全種類…ですか?」
店員さん困ってんじゃねーか。ほら。
「済みません嘘です、馬鹿なんですこいつ。ちょっと調子に乗って…」
俺は慌てて、お嬢さんの代わりに店員さんに謝った。
そのうち、一番近くにあるケーキ屋に向かった。
「わーい。ケーキだー」
ガラスのショーケースに、整然と並べられたカットケーキを見て。
お嬢さんは、子供のように喜んでいた。
良い歳して、ケーキで大興奮するんじゃない。
せめて、店員さんの見てないところでやれ。
恥ずかしいだろ。
「ほら、好きなの選べよ」
確かチョコケーキが良いんだっけ?夢の中に出てきたとか言ってた…。
さすがに、夢で見たのと全く同じケーキは売ってないと思うけど…。
チョコケーキなら置いてあるぞ。チョコクリームケーキとザッハトルテとガトーショコラと…。
しかし、お嬢さんの目には適わなかったらしく。
「うーん…。…どれも美味しそうだけど、何だか種類が少ないね」
え、そうか?
「こんなものじゃないのか…?」
ケーキの種類なんて、俺、よく知らないけど…。
ショートケーキ、チーズケーキ、チョコケーキ、抹茶ケーキ…あとモンブランがあれば、一通り揃ってるんじゃないの?
あとは、プリンとシュークリームがあれば完璧。
他に何を求めてるんだ。
ましてやこのお店、さっき行ったファミレスのように、全国チェーンのお店ではなく。
個人経営の、小さなケーキ屋である。
街のケーキ屋さん、っといったただ住まいだ。
なら、こんなもんじゃないの?
「だって、夢の中だともっといっぱい、色んな種類のチョコケーキがあったよ?」
「いや…それは夢の中だから。現実だとこんなもんだろ…」
「ザッハトルテにガトーショコラに、オレンジチョコといちごチョコとチョコマシュマロケーキに、チョコロールケーキとチョコナッツとチョコキャラメルと、チョコプリンとチョコシュークリームが、全部一つのテーブルに乗ってたんだ」
チョコケーキバイキングか何か?
「何処で買ってきたんだ、そんなに…」
「行きつけのケーキ屋さんだって」
何処だよ、それは。
でも、それも全部夢の中の話だろ?現実じゃ無理だよ。
ましてや、街のケーキ屋さんでそれだけの種類を揃えるのは無理。
大体、そんなに買っても食べ切れないだろ。
鼻血出るぞ。チョコの食べ過ぎで。
…って、あれは迷信なんだっけ?
ともかく。
「妥協しろ、妥協。夢と同じには出来ないよ」
「そっかー、仕方ない…。…じゃ、妥協して…こっちからこっちまで、全部2個ずつ下さい」
なんつー注文してるんだ。
人生で一度はやってみたい大人買いしてんじゃねーぞ。
「えっ…。こ、ここからここまで全種類…ですか?」
店員さん困ってんじゃねーか。ほら。
「済みません嘘です、馬鹿なんですこいつ。ちょっと調子に乗って…」
俺は慌てて、お嬢さんの代わりに店員さんに謝った。