アンハッピー・ウエディング〜前編〜
何とか無事にケーキを購入して、自宅に帰ってくる頃には。
無駄にぐったりと疲れて、もう荷物の片付けをする気にはなれなかった。
お嬢さんの買い物に付き合っただけなのに、謎の疲労感。
こうやって、結局いつまで経っても俺の部屋の荷物は片付かないんだよなぁ…。
それなのに。
俺の疲労の原因を作った、当のお嬢さんは。
「悠理君。ケーキ美味しい」
今しがた買ってきたチョコケーキを、フォーク片手にもぐもぐ頬張っていた。
幸せそうで何より。
あんたはまず、学校の勉強より先に、お金の計算を学ぶべきだな。
普段から、いかにクレジットカードのみで買い物してることか。
別にクレカで買い物するな、とは言わんけどな。
今日行ったケーキ屋みたいに、世の中には現金しか取り扱ってないお店もある訳で。
そうしたら、ちゃんと自分でお金の計算しなきゃいけないんだよ。
今日は俺が一緒だったから、何とかなったけど…。
一人のときだったら、どうするつもりなんだ。
しかし、お嬢さんにはそのような危機感など、欠片も持ち合わせていないらしく。
「悠理君も食べよう。はい、こっちのケーキあげる」
そう言って、お嬢さんはザッハトルテの皿を差し出してきた。
…呑気な奴だよ。
それから。
「俺は別に良いよ。あんたが欲しいって言って買ってきたんだから、あんたが食べろよ」
夢の中でケーキ見て、食べたくなったんだろ?
遠慮せず自分で食べろ。
「でも、お金払ったのは悠理君だよ?」
そりゃまぁ、そうなんだけど。
と言っても、無月院本家から出してもらった生活費で買い物してるんだし。
お嬢さんの財布だろうと俺の財布だろうと、出処は一緒なんだよ。結局。
それなのに。
「それに、今日は悠理君とお買い物出来て楽しかったから。そのお礼」
「…」
「一緒にケーキ食べよう。ね?」
…分かったよ。そこまで言うなら。
「分かった。じゃあ、俺ももらうよ」
「うん。チョコケーキ美味しいよ」
俺はどっちかと言うと…チョコよりも、果物をふんだんに使ったフルーツタルトとかの方が好きなんだけどな。
まぁ、良いか。たまには。
疲れた身体に、チョコレートの甘い糖分が染み渡る気分だよ。
無駄にぐったりと疲れて、もう荷物の片付けをする気にはなれなかった。
お嬢さんの買い物に付き合っただけなのに、謎の疲労感。
こうやって、結局いつまで経っても俺の部屋の荷物は片付かないんだよなぁ…。
それなのに。
俺の疲労の原因を作った、当のお嬢さんは。
「悠理君。ケーキ美味しい」
今しがた買ってきたチョコケーキを、フォーク片手にもぐもぐ頬張っていた。
幸せそうで何より。
あんたはまず、学校の勉強より先に、お金の計算を学ぶべきだな。
普段から、いかにクレジットカードのみで買い物してることか。
別にクレカで買い物するな、とは言わんけどな。
今日行ったケーキ屋みたいに、世の中には現金しか取り扱ってないお店もある訳で。
そうしたら、ちゃんと自分でお金の計算しなきゃいけないんだよ。
今日は俺が一緒だったから、何とかなったけど…。
一人のときだったら、どうするつもりなんだ。
しかし、お嬢さんにはそのような危機感など、欠片も持ち合わせていないらしく。
「悠理君も食べよう。はい、こっちのケーキあげる」
そう言って、お嬢さんはザッハトルテの皿を差し出してきた。
…呑気な奴だよ。
それから。
「俺は別に良いよ。あんたが欲しいって言って買ってきたんだから、あんたが食べろよ」
夢の中でケーキ見て、食べたくなったんだろ?
遠慮せず自分で食べろ。
「でも、お金払ったのは悠理君だよ?」
そりゃまぁ、そうなんだけど。
と言っても、無月院本家から出してもらった生活費で買い物してるんだし。
お嬢さんの財布だろうと俺の財布だろうと、出処は一緒なんだよ。結局。
それなのに。
「それに、今日は悠理君とお買い物出来て楽しかったから。そのお礼」
「…」
「一緒にケーキ食べよう。ね?」
…分かったよ。そこまで言うなら。
「分かった。じゃあ、俺ももらうよ」
「うん。チョコケーキ美味しいよ」
俺はどっちかと言うと…チョコよりも、果物をふんだんに使ったフルーツタルトとかの方が好きなんだけどな。
まぁ、良いか。たまには。
疲れた身体に、チョコレートの甘い糖分が染み渡る気分だよ。