アンハッピー・ウエディング〜前編〜
桜咲く頃の章4
――――――さて、お嬢さんの買い物に付き合った翌日。
その日、俺は初めて制服を着た。
何の制服かって?
決まってる。この春から通うことになる高校の制服だよ。
何で制服を着るのかって?
それも決まってる。
何故なら今日が、高校の入学式だからである。
家の荷物は片付いてないけど、最低限学校の準備だけは済ませておいたから。
入学式当日になっても、慌てることなく支度出来た。
「おはよ〜…」
入学式の朝、お嬢さんはいつも通り。
眠い目を擦り、大あくびをしながら一階に降りてきた。
だらしねぇって。だから。
あれだけ着替えてこいと言ってるのに、案の定俺のお古ジャージ姿だし。
「おはよう。速攻着替えてこい」
「あのねー、悠理君。昨日面白い夢を見てね」
俺の話を聞けって。
「絵を描く夢を見たんだー。天使の絵だよ。凄く上手でねー、コンクールで賞をもらったんだ」
そりゃ良かったな。
「お友達の人も絵が上手でね、いや、あれはお友達って言うか恋人…。…ふぇ?」
ふぇ?
眠い目を擦っていたお嬢さんは、台所に立つ俺を見てぽやんと首を傾げた。
…何だよ?どうかしたのか?
「…悠理君、珍しい格好してるね。まるで学校の制服みたい」
「学校の制服だからな」
みたい、じゃなくて。そうなんだよ。
それに。
「あんたも、今日から制服を着るんだろ?学校始まるんだから」
春休みはもう終わりだ。
今日から新学期。俺は高校一年生になり、お嬢さんは高校二年生に進級だろ?
同じ学校とはいえ、俺は男子部、お嬢さんは女子部に分かれてるけどな。
そうだというのに、この呑気なお嬢さんは。
「学校…?」
…何で首を傾げてるんだよ。大丈夫か?
「そう。今日から学校。今日は入学式だよ」
入学式には、新入生である俺は勿論。
在校生のあんた達も、参加するんじゃないのか。
いつまでも春休みじゃないんだぞ。ちゃんと春休みの宿題は済ませたんだろうな?
さすがに、学校の宿題の面倒までは見きれんぞ。俺も。
大体学年違うから、どんな宿題が出たのかも知らない。
「…学校って、今日からだっけ?」
「…そうだよ」
知らなかったのか?
「そっか。今日なのかー」
やっぱり知らなかったらしい。
おいおい…。本当に大丈夫なのか心配になってきた。
その日、俺は初めて制服を着た。
何の制服かって?
決まってる。この春から通うことになる高校の制服だよ。
何で制服を着るのかって?
それも決まってる。
何故なら今日が、高校の入学式だからである。
家の荷物は片付いてないけど、最低限学校の準備だけは済ませておいたから。
入学式当日になっても、慌てることなく支度出来た。
「おはよ〜…」
入学式の朝、お嬢さんはいつも通り。
眠い目を擦り、大あくびをしながら一階に降りてきた。
だらしねぇって。だから。
あれだけ着替えてこいと言ってるのに、案の定俺のお古ジャージ姿だし。
「おはよう。速攻着替えてこい」
「あのねー、悠理君。昨日面白い夢を見てね」
俺の話を聞けって。
「絵を描く夢を見たんだー。天使の絵だよ。凄く上手でねー、コンクールで賞をもらったんだ」
そりゃ良かったな。
「お友達の人も絵が上手でね、いや、あれはお友達って言うか恋人…。…ふぇ?」
ふぇ?
眠い目を擦っていたお嬢さんは、台所に立つ俺を見てぽやんと首を傾げた。
…何だよ?どうかしたのか?
「…悠理君、珍しい格好してるね。まるで学校の制服みたい」
「学校の制服だからな」
みたい、じゃなくて。そうなんだよ。
それに。
「あんたも、今日から制服を着るんだろ?学校始まるんだから」
春休みはもう終わりだ。
今日から新学期。俺は高校一年生になり、お嬢さんは高校二年生に進級だろ?
同じ学校とはいえ、俺は男子部、お嬢さんは女子部に分かれてるけどな。
そうだというのに、この呑気なお嬢さんは。
「学校…?」
…何で首を傾げてるんだよ。大丈夫か?
「そう。今日から学校。今日は入学式だよ」
入学式には、新入生である俺は勿論。
在校生のあんた達も、参加するんじゃないのか。
いつまでも春休みじゃないんだぞ。ちゃんと春休みの宿題は済ませたんだろうな?
さすがに、学校の宿題の面倒までは見きれんぞ。俺も。
大体学年違うから、どんな宿題が出たのかも知らない。
「…学校って、今日からだっけ?」
「…そうだよ」
知らなかったのか?
「そっか。今日なのかー」
やっぱり知らなかったらしい。
おいおい…。本当に大丈夫なのか心配になってきた。