アンハッピー・ウエディング〜前編〜
明日は健康診断と、午後からは授業の説明があって。
明後日から俺達が何をするのかと言うと、掃除である。
学校敷地内の大掃除。
入学後、三日間も丸一日掃除させられるなんて…。
これって一般的なのか?よその高校でも、こんなことしてるのか?
絶対やってないだろ。
掃除に三日も費やすなら、授業やれよ。
俺は勉強をする為に高校に入学したのに、何故掃除なのか。
それも、三日間も。
名目は、「整理整頓、校内美化の精神を生徒に教える為」だそうだ。
便利な掃除要員に使いたいだけじゃね?
数少ねぇからなぁ。男子部…。
「新入生の訓練を名目に、新入生に旧校舎の掃除をさせたいんだろう」
「だからって、普通入学早々、丸三日も掃除させるかよ?」
雛堂が愚痴る気持ちも分かる。
俺だって、納得出来てないから。
いくら、数の少ない男子部の生徒だけじゃ、広い旧校舎を持て余すとはいえ…。
だからって新入生に大掃除、させるか?
授業そっちのけで?酷い話じゃないか。
学校サボる奴いるんじゃね?
授業が始まるの、来週の月曜日からなんだろ?
「良いこと思いついた。皆でストしようぜ」
余程掃除をしたくないらしく、雛堂はそんな提案をした。
「スト?」
「全員で示し合わせて、大掃除の三日間皆でサボるんだよ。そうしたら、誰も掃除せずに済むぜ」
成程。ちょっと良い考えかもしれないと思ってしまった気がする。
ストライキは労働者の権利だ。
だが、残念ながら俺達は労働者ではなく、しがない高校生である。
「そうは行かんだろ。いくら腑に落ちなくても…」
入学早々サボりなんて、クラスメイト全員が納得してくれるとは思えない。
誰だって、学校側と揉めたくないだろうし。トラブルを起こしたくもないだろうし。
俺だってそうだよ。
ましてや俺は、裏口入学で入ってきてる訳だし。
今年の新入生は反抗的だ、って睨まれたら…今後三年間、ずっと目をつけられることになるだろう。
それは避けたい。
「波風立てないように、黙って従っておくのが吉だと思うぞ」
「ちぇっ…。仕方ない。兄さんがそう言うなら…我慢して掃除するよ」
「あぁ、そうしろ」
俺だって納得は出来てないけど。
でもまぁ、個人的には、掃除はそんなに嫌いじゃないからな。
ボロい旧校舎でも、これから毎日通うことになる校舎であることに変わりはない。
自分達の通う校舎を、自分達の手で綺麗にするのだと思えば、少しはやる気になるだろう。
…と、前向きに解釈出来たのは、その日の夜までだった。
明後日から俺達が何をするのかと言うと、掃除である。
学校敷地内の大掃除。
入学後、三日間も丸一日掃除させられるなんて…。
これって一般的なのか?よその高校でも、こんなことしてるのか?
絶対やってないだろ。
掃除に三日も費やすなら、授業やれよ。
俺は勉強をする為に高校に入学したのに、何故掃除なのか。
それも、三日間も。
名目は、「整理整頓、校内美化の精神を生徒に教える為」だそうだ。
便利な掃除要員に使いたいだけじゃね?
数少ねぇからなぁ。男子部…。
「新入生の訓練を名目に、新入生に旧校舎の掃除をさせたいんだろう」
「だからって、普通入学早々、丸三日も掃除させるかよ?」
雛堂が愚痴る気持ちも分かる。
俺だって、納得出来てないから。
いくら、数の少ない男子部の生徒だけじゃ、広い旧校舎を持て余すとはいえ…。
だからって新入生に大掃除、させるか?
授業そっちのけで?酷い話じゃないか。
学校サボる奴いるんじゃね?
授業が始まるの、来週の月曜日からなんだろ?
「良いこと思いついた。皆でストしようぜ」
余程掃除をしたくないらしく、雛堂はそんな提案をした。
「スト?」
「全員で示し合わせて、大掃除の三日間皆でサボるんだよ。そうしたら、誰も掃除せずに済むぜ」
成程。ちょっと良い考えかもしれないと思ってしまった気がする。
ストライキは労働者の権利だ。
だが、残念ながら俺達は労働者ではなく、しがない高校生である。
「そうは行かんだろ。いくら腑に落ちなくても…」
入学早々サボりなんて、クラスメイト全員が納得してくれるとは思えない。
誰だって、学校側と揉めたくないだろうし。トラブルを起こしたくもないだろうし。
俺だってそうだよ。
ましてや俺は、裏口入学で入ってきてる訳だし。
今年の新入生は反抗的だ、って睨まれたら…今後三年間、ずっと目をつけられることになるだろう。
それは避けたい。
「波風立てないように、黙って従っておくのが吉だと思うぞ」
「ちぇっ…。仕方ない。兄さんがそう言うなら…我慢して掃除するよ」
「あぁ、そうしろ」
俺だって納得は出来てないけど。
でもまぁ、個人的には、掃除はそんなに嫌いじゃないからな。
ボロい旧校舎でも、これから毎日通うことになる校舎であることに変わりはない。
自分達の通う校舎を、自分達の手で綺麗にするのだと思えば、少しはやる気になるだろう。
…と、前向きに解釈出来たのは、その日の夜までだった。