アンハッピー・ウエディング〜前編〜
…今日一日で、もう何回「男女差別だろ」と思ったか分からんけど。
今この瞬間ほど、強くそう思ったことはない。
男女差別だろ。
女子生徒が優雅に旅行に行ってる間、野郎共は留守番で、あくせく大掃除をさせられるとは。
これを男女差別と言わずして、何と言うのか。
俺は箸を動かす手を止めて、両手で顔を抑えて天を仰いだ。
酷ぇよ、これは酷い。
「…?悠理君が固まっちゃった」
お嬢さんは、きょとんとして俺を見つめ。
「…さくらんぼ、もらっちゃお」
俺が目を離した隙に、俺の皿からデザートのさくらんぼを一つ、かっぱらっていった。
おい、こら。見てんぞ。
いや、この際さくらんぼはどうでも良い。いや、良くないけども。
「マジで?男子部の新入生が掃除してる間、女子部の新入生は旅行に行ってんの…?」
「?毎年、新入生は入学オリエンテーションと、新入生同士の親睦の為に、京都旅行に行くのが恒例だよ」
アホなのか?
オリエンテーションなんて、何でわざわざ京都でやんの?
普通に校舎の中でやれ。
去年お嬢さんが入学したときも、新入生は皆で京都旅行に行った…。
ってことは、今年の新入生もそうなんだろうな。
まさか、今年からは女子生徒も学校に残って大掃除しましょう。とはならんだろうし。
「男子部の新入生は何処に行くの?沖縄とか?」
「…何処にも行かねぇよ。掃除だ」
三日間も大掃除させられる理由が分かった。
女子部の新入生は皆、旅行の為に出払ってるから。
さては、女子部の新入生の分も、男子部の新入生に掃除させるつもりなんだろ。
それくらいのことは、平気でやりそうじゃないか。
俺達野郎共は何だ。あれか。召使いか下僕的な存在?
「ほぇ?お掃除?悠理君、お掃除するの?」
「…するんだよ」
「そうなんだ。変だね。お掃除する為に入学したんじゃないのに」
全くだよ。
それ、あんたのいる新校舎の教師に言ってやってくれ。
雛堂。俺、昼間は反対したけどさ。
やっぱり皆でストライキ起こして、掃除ボイコットしねぇ?
…って、思わず言いたくなったよ。
今この瞬間ほど、強くそう思ったことはない。
男女差別だろ。
女子生徒が優雅に旅行に行ってる間、野郎共は留守番で、あくせく大掃除をさせられるとは。
これを男女差別と言わずして、何と言うのか。
俺は箸を動かす手を止めて、両手で顔を抑えて天を仰いだ。
酷ぇよ、これは酷い。
「…?悠理君が固まっちゃった」
お嬢さんは、きょとんとして俺を見つめ。
「…さくらんぼ、もらっちゃお」
俺が目を離した隙に、俺の皿からデザートのさくらんぼを一つ、かっぱらっていった。
おい、こら。見てんぞ。
いや、この際さくらんぼはどうでも良い。いや、良くないけども。
「マジで?男子部の新入生が掃除してる間、女子部の新入生は旅行に行ってんの…?」
「?毎年、新入生は入学オリエンテーションと、新入生同士の親睦の為に、京都旅行に行くのが恒例だよ」
アホなのか?
オリエンテーションなんて、何でわざわざ京都でやんの?
普通に校舎の中でやれ。
去年お嬢さんが入学したときも、新入生は皆で京都旅行に行った…。
ってことは、今年の新入生もそうなんだろうな。
まさか、今年からは女子生徒も学校に残って大掃除しましょう。とはならんだろうし。
「男子部の新入生は何処に行くの?沖縄とか?」
「…何処にも行かねぇよ。掃除だ」
三日間も大掃除させられる理由が分かった。
女子部の新入生は皆、旅行の為に出払ってるから。
さては、女子部の新入生の分も、男子部の新入生に掃除させるつもりなんだろ。
それくらいのことは、平気でやりそうじゃないか。
俺達野郎共は何だ。あれか。召使いか下僕的な存在?
「ほぇ?お掃除?悠理君、お掃除するの?」
「…するんだよ」
「そうなんだ。変だね。お掃除する為に入学したんじゃないのに」
全くだよ。
それ、あんたのいる新校舎の教師に言ってやってくれ。
雛堂。俺、昼間は反対したけどさ。
やっぱり皆でストライキ起こして、掃除ボイコットしねぇ?
…って、思わず言いたくなったよ。