アンハッピー・ウエディング〜前編〜
昨日で旧校舎の空き教室の掃除、全部終わったからさ。
二日目はもうやることないから、自習にしましょう、って言われるんじゃないかなーって。
ちょっと期待してたんだけどな。
そんなことは、全然なかった。
「は?休みたい…?許さん、働け」とばかりに。
ブラック企業ならぬ、ブラック学校。
二日目の俺達は、今度は旧校舎の周囲の外掃除に出た。
旧校舎の周りには、使われなくなった花壇やグラウンドの周辺に、雑草が鬱蒼と生い茂っていた。
この雑草を、一日かけて全部引っこ抜けってさ。
今度は一日、草むしりだってよ。
この雑草畑を見て、俺は思わず気を失いそうになったもんだ。
昨日も大概だったけど、今日も重労働だ。
しかも、昨日は立ち仕事だったけど。
草むしりは、地面にしゃがみ込んで作業しなければならない。
一時間も経たずに、膝と腰が痛くなってきた。
「あ〜!もうやんなってきた〜!」
先生が見ていない隙に、雛堂は草むしりのを手を止めて、両腕をいっぱいに伸ばしてストレッチしていた。
大掃除二日目のこの日も、俺は雛堂と乙無の三人で行動している。
雛堂のメンタルは、早くも限界に近づいてるか。
俺はもう、とっくに嫌になってるけどな。
ただひたすら、機械的に手を動かしてるだけだ。
「こうしてる間にも、お嬢様共はきゃっきゃうふふしながら京都土産選んでるんだろ?やってられねぇぞ」
きゃっきゃうふふしてるのかは知らないが。
優雅に京都旅行、楽しんでるんだろうな。
つーか、入学オリエンテーションをやれよ。観光しに行ってんじゃねぇ。
「さぞかし立派なお土産、買ってきてくれるんだろうな?でなきゃ割に合わんぞ」
そう言いたい気持ちは分かる…けども。
「お土産なんて、僕達にある訳ないじゃないですか。精々お土産話を持って帰ってきてくれるだけですよ」
と、乙無がズバッと一刀両断。
元気に帰ってくることが何よりのお土産、ってか?
置いていかれてる身としては、冗談じゃねぇ。
そもそも男子部の新入生は、女子部の新入生が京都旅行に行っていることを知らされていない。
俺が先輩であるお嬢さんに聞いたから、俺達三人だけが知っているのであって。
このことを、お嬢さんに聞いてなかったら。
今頃女子部の新入生も、同じように新校舎の掃除に勤しんでいるんだろう、と信じ込んでいたはずだ。
むしろ、そう思い込んでいた方が幸せだったかもなぁ。
このことを男子部の新入生一同が聞いたら、それこそ本当にストライキが起きてたかも。
それはそれで、悪くない気がするけど。
「あー、もう。やってらんね」
雛堂は草むしりを投げ出して、花壇の縁に腰を下ろした。
サボりか、雛堂。
分かるよ。昨日一日中拭き掃除と掃き掃除して、今日は朝から草むしりだもんな。
さすがに疲れてきたよ。俺だって。
先生が見ていない隙に、俺も少し休もうかな。
二日目はもうやることないから、自習にしましょう、って言われるんじゃないかなーって。
ちょっと期待してたんだけどな。
そんなことは、全然なかった。
「は?休みたい…?許さん、働け」とばかりに。
ブラック企業ならぬ、ブラック学校。
二日目の俺達は、今度は旧校舎の周囲の外掃除に出た。
旧校舎の周りには、使われなくなった花壇やグラウンドの周辺に、雑草が鬱蒼と生い茂っていた。
この雑草を、一日かけて全部引っこ抜けってさ。
今度は一日、草むしりだってよ。
この雑草畑を見て、俺は思わず気を失いそうになったもんだ。
昨日も大概だったけど、今日も重労働だ。
しかも、昨日は立ち仕事だったけど。
草むしりは、地面にしゃがみ込んで作業しなければならない。
一時間も経たずに、膝と腰が痛くなってきた。
「あ〜!もうやんなってきた〜!」
先生が見ていない隙に、雛堂は草むしりのを手を止めて、両腕をいっぱいに伸ばしてストレッチしていた。
大掃除二日目のこの日も、俺は雛堂と乙無の三人で行動している。
雛堂のメンタルは、早くも限界に近づいてるか。
俺はもう、とっくに嫌になってるけどな。
ただひたすら、機械的に手を動かしてるだけだ。
「こうしてる間にも、お嬢様共はきゃっきゃうふふしながら京都土産選んでるんだろ?やってられねぇぞ」
きゃっきゃうふふしてるのかは知らないが。
優雅に京都旅行、楽しんでるんだろうな。
つーか、入学オリエンテーションをやれよ。観光しに行ってんじゃねぇ。
「さぞかし立派なお土産、買ってきてくれるんだろうな?でなきゃ割に合わんぞ」
そう言いたい気持ちは分かる…けども。
「お土産なんて、僕達にある訳ないじゃないですか。精々お土産話を持って帰ってきてくれるだけですよ」
と、乙無がズバッと一刀両断。
元気に帰ってくることが何よりのお土産、ってか?
置いていかれてる身としては、冗談じゃねぇ。
そもそも男子部の新入生は、女子部の新入生が京都旅行に行っていることを知らされていない。
俺が先輩であるお嬢さんに聞いたから、俺達三人だけが知っているのであって。
このことを、お嬢さんに聞いてなかったら。
今頃女子部の新入生も、同じように新校舎の掃除に勤しんでいるんだろう、と信じ込んでいたはずだ。
むしろ、そう思い込んでいた方が幸せだったかもなぁ。
このことを男子部の新入生一同が聞いたら、それこそ本当にストライキが起きてたかも。
それはそれで、悪くない気がするけど。
「あー、もう。やってらんね」
雛堂は草むしりを投げ出して、花壇の縁に腰を下ろした。
サボりか、雛堂。
分かるよ。昨日一日中拭き掃除と掃き掃除して、今日は朝から草むしりだもんな。
さすがに疲れてきたよ。俺だって。
先生が見ていない隙に、俺も少し休もうかな。