P法
「そのうち、解消だらけになるぞ。この国は」
 そう言って、2人は見張り番を交代した。

 翌朝、溝内は給料を下ろしに向かった。その間は竹田1人で見張りを続ける。マンションの出入りする者に怪しい人物はいなかった。少しの動きでもあれば、この退屈な時間もマシになると思いながら、ただ黙って眺めていた。
 テレビからパートナーの合意率が解消率を下回ったと流れると、竹田は昨日の溝内の言葉を思い出して頷いた。
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