「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~

存在を否定される

 ランチタイムが終了し、慈善病院に戻ってきた。

(今日はこのまま屋敷に戻ろう)

 今朝、剣の稽古でケガをしたパトリスの様子が気になる。

 彼の傷は癒えたけれど、いくら軍人でもあれだけ出血したらショックだったはず。心のケアが必要かもしれない。

 というのは建前、ね。

 あのとき、彼が言おうとした「これなら閣下の……」が気になっている。その続きを知りたい。

 というわけで、慈善病院のみんなに別れを告げて屋敷に戻った。
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