「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
(ああ、なるほど。わたしにきかせる為にわざわざここで立ち話を? ということは、わたしが帰ってくるまでスタンバイしていたってこと?)

 驚きを禁じ得ない。

 わたしの無駄遣い、というよりかは散財を咎めるためとはいえ、わたしに興味を持っていることになる。

 それはともかく、モルガンに悪いことをしてしまった。

 モルガンにもマルスランにも慈善病院に関わる費用のいっさいを、わたしが散在したことにしてもらっている。衣服、貴金属、めずらしかったり貴重な物、豪華な食材等など。

 世の中には贅を尽くす方法はいくらでもある。

 だから、記録もそのようにしてもらっている。

 フェリクスがチェックしている帳面は、まさしくわたしの散財の証なのである。
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