「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「モルガン、下がっていい」

 フェリクスが命じると、モルガンは渋々去って行った。

 わたしの方を何度も気づかわし気に見ながら。

「お説教ならききますわ。ですが、謝るつもりはありませんので」

 ついでだから、嫌なレディを演じ続ける。

 その方がそれっぽいし、フェリクスもやりやすいでしょうから。

 が、彼は翡翠色の瞳でわたしを見おろしただけだった。ほんとうにそれだけだった。
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