「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
(空気みたいな存在、というのかしら?)

 書物の中で年老いた、あるいは熟年の夫婦が、おたがいのことを空気みたいな存在と表現することがある。

 が、当然わたしたちはそうではない。年老いてもいないし、熟年の夫婦でもない。

 それどころか、顔見知り知りというにもほど遠い。

(あそこまでわたしを嫌う理由があるのかしら?)

 そのような理由、あるわけないわよね?

 理由があるほどの付き合いでもないのだから。

 不可思議すぎる。

 気にしないでおこう。彼は彼。わたしはわたし。
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