「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 おたがいに違う道を歩んでいるし、その道はけっして交差することはない。だから、いままでと同じようにすごせばいい。忙しい毎日をすごせばいい。

 何度もそう思うようにしているけれど、気がつけばフェリクスのことを考えてしまっている。

 そんな自分自身のこともまた、不可思議でならない。

 フェリクスのことだけではない。彼がお付き合いしているレディってどういう人なのかしら?

 彼は、日々の過酷な生活での気晴らしに付き合っているというニュアンスで言っていた気がする。

 だけど、彼のあの真面目で頑なで正義感の強い性格なら、中途半端な気持ちでレディと付き合うとは考えにくい。

 遊ぶ、というのだったかしら?
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