「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 まさかの誘いに驚いた。というよりか、当惑した。

 こんな田舎の人妻などではなく、もっと洗練されたレディを誘えばいいのに。

 迷った。このあと、遠くの町や村に行くのなら、すこしでもはやく馬車でむかいたい。ゆっくり見てまわってから戻ってきたら、どうしても遅くなってしまうから。

 とはいえ、援助してもらっている彼の誘いを無碍に断るのは得策ではない。

 仕方がない。町や村の訪問は明日にしよう。とくに約束しているわけでもないし。
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