「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~

葛藤

 カフェといっても、帝都にあるカフェのようにお洒落でも洗練されているわけでもない。

 お茶やスイーツを飲んだり食べたりしながらお喋りをする。社交の場的空間である。

 このカフェは、メイドのロマーヌやヴェロニクとときどきお邪魔をする。訂正。しょっちゅうお邪魔をする。常連といってもいいかもしれない。わたしたちは、このカフェでラングラン侯爵家の男性陣の愚痴を言ったり、たわいもない話題で盛り上がっている。

 季節や日ごとにかわる何種類かのケーキが美味しくて、三人でお喋りをしながら最低でも三個は食べてしまう。ケーキは大きくて、しかも安い。そうなれば、この街だけでなく近隣の町や村からも大勢のレディたちがやって来る。食堂同様、ここのカフェもいつも大盛況である。

 今日もいっぱいで、すこしだけ待ってからテラス席を確保することが出来た。
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