「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「ジョフロワ、ごめんなさい。じつは、まだ飲んでいないのです。ウジェの白葡萄酒があまりにも希少すぎて、なにかお祝い事があるときにしか飲む勇気が出そうにないのです」

 それは、真実である。

 ウジェの白葡萄酒は、ほんとうに希少で高価な物。

 ふつうのときに飲んでしまうなど、わたしには出来そうにない。そういう贅沢すぎる概念じたい、わたしにはない。
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