「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「ジョフロワ、申し訳ありません。少し失礼します」

 やましい気持ちでいっぱいである。

 やましい気持ちなど抱く必要もないのに、なぜか心と頭の中は罪悪感に染まっている。

「アイ、いったいどうしたというのです」

 ジョフロワを無視し、駆けだしていた。

 歩道から馬車道への段差を降り、視線を向こうの歩道にいるフェリクスに戻した。

 すると、彼はすでにこちらに背を向け歩き始めていた。
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