「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 というわけで、街のカフェでジョフロワとお茶をしているところを見られて以降、フェリクスに会っていないから彼がどのような状態なのかさっぱりわからないでいる。

(いっそ言い訳をしに行く?)

 室内を行ったり来たりしつつ、これもまた何十回と自問している。

(言い訳? いったいなにに対しての言い訳なの?)

 やましいことはしていない。そのつもりでいる。

 ジョフロワは、あくまでも慈善病院の運営を援助してくれている協力者のひとり。それ以上でも以下でもない。
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