「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 彼は、わたしの誘いにのってくれた。

 まぁラングラン侯爵家の名を出せば、断れるわけはないのでしょうけれど。

 彼らは、約束よりもはやめにやって来た。

 彼らというのは、二人の男性という意味である。

 二頭立てのシンプルな馬車で、約束のすこし前にやって来た。

「侯爵夫人、お久しぶりです」

 アムラン王国の大商人エルキュール・ロートレックは、馬車から降りてくるなり気軽な調子で挨拶をしてきた。そして、快活に笑った。
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