「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「エルキュール、ジョフロワ、おはようございます」

 アムラン王国の大商人とその甥である。

 ジョフロワはブンブンと手を振っていたけれど、こちらに駆けてきた。一方、エルキュールはのんびり歩き続けている。

「慈善病院に行くのですか?」
「ええ、ジョフロワ。あなたたちは? 朝から商談?」

 そのわりには身一つ。馬車ではなく、徒歩で商談に行くというのもおかしな話だけど。
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