「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「ウジェの白葡萄酒? そんな高価なものをいただくわけにはまいりません」
「いえ、ほんのお近づきの品です。どうかお召し上がり下さい」

 キラキラ光る美貌が眩しすぎる。

 その眩しさに目を細めつつ、ジョフロワの目にわたしはどのように映っているのだろうとふと思った。

 金髪碧眼長身の彼にくらべて黒髪黒色の瞳、しかもちんちくりんと、さらにはのっぺりした顔のわたしだと、さぞかし滑稽に見えていることでしょう。

 まぁ、いいんだけど。

 容姿については諦めているから。

 元気で笑顔でいられる。

 これが一番、というのが持論。

 などというやっかみはともかく、せっかく持参してくれたものをこれ以上断るのはかえって無礼になる。
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