「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「あなたが侯爵夫人ね? ラングラン侯爵よね?」

 結論をいうと、お客様はジョフロワでもエルキュールでもなかった。

 エントランス内に立っているのは、街で見たレディだった。

 厳密には、フェリクスを追ってきたという彼の愛人である。

 街では背中しか見えなかった。いまこうして面と向かってみると、彼女は控えめに表現しても美しすぎる。

 ジョフロワのレディ版といってもいい。
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