「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「彼女、おまえのアクションにまったく気がついていなかったんだ」
「うるさい、エルキュール」

 エルキュールは、さらに笑っている。馬車内は、いまや彼の笑い声であふれかえっている。

「まいったな。てっきりきみは気がついていてくれていると思い込んでいたよ。それでいて、きみもわたし同様その気になってくれているのかと」
「はぁ? その気って、いったいなんの気なの?」

 ジョフロワの言う意味がまったくわからない。それとも、アムラン王国ではこういう謎めいた会話がふつうなのかしら?
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