「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「ジョフロワ。あなたのその気持ち、うれしいわ。だけど、そういうことは真に愛するレディに捧げるべきね。わたしのような、『浮気され妻』などではなく、ね」

 彼の両手から逃れようと振り払おうとするも、凄まじい力で握られているので動かしようがない。

「だから捧げているじゃないか、アイ。どうしてわかってくれないんだ? わたしが真に愛するレディ、それはきみ……」

 彼がそこまで言った瞬間、馬車が急停車した。
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