「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「アイ。あいつの側にいれば、かならずや不幸になる。さらには、慈善病院だって潰されるだろう。それが真実だ。それが、あいつといっしょにいることを選んだときのきみの未来だ。アイ、これでわかっただろう? だったら、いっしょに行こう。国境までもう少しだ。国境を越えれば、アムラン王国軍が控えている」

 ジョフロワは、こちらに右手を差し出した。

 その手をつかめ、ということに違いない。わたしがその手をつかみ、いっしょにアムラン王国に行き、慈善活動や福祉関係の仕事をする。そして、ジョフロワにしあわせにしてもらう。

 彼越しにフェリクスが見える。
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