「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「アイ、そんな目でおれを見るな。だったら、あいつはどうなんだ? あいつだって、アイ、おまえを利用しようとしているんだぞ。あいつも癒しの力を欲している。だから、おまえを嫌いつつもこの領地で飼っているんだ」

 ジョフロワは、またフェリクスを指さした。

「どういうことなの?」

 そう尋ねた自分の声が、いままでにないほど低く冷たかったので自分でも驚いてしまった。
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