「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「フェリクス様……」

 フェリクスの名が、口から勝手に飛び出していた。

 そのときには、フェリクスは馬から飛び降りこちらに向って駆け始めていた。

 一瞬、脳裏に恋愛物の書物の一場面が浮かんだ。

 白馬の王子様が白馬から飛び降り、ヒロインに駆け寄る場面である。
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