「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「フェリクス様、そうですね。わたしは、あなたを許しません。あなたは、正直に告げるべきでした。ご自身の体のことを。癒しや加護の力を信じる信じないは別にしてもです。帰っていらっしゃってから、パトリスの傷を癒すのをご覧になりましたよね? そのあとでも、打ち明けるべきだったのです。わたしを巻き込みたくない。わたしに危害が加わってはいけない。あなたのその気持ちはうれしいです。ですが、すでに巻き込まれていました。というか、お間抜けなわたしが自分から足を突っ込んでしまっていましたので。それはともかく、わたしたちは夫婦なのです。どのようなことでも共有すべきだったのです。それがたとえ危難であったとしても」
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