「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 わたし自身手探りで領主の妻の、というよりかは領主の代理っぽいことをやらせてもらっている。もちろん管理人のマルスラン・リファールがいてくれるから、実務のほとんどは甘えて行ってもらっている。が、なにかの際になにも知らないでは通用しない。

 たとえ愛されないお飾りの妻だろうと、契約だか体裁上の妻だろうが、書面上、そして世間に対しては妻なのだから。

 そんなわたしに商売がわかるわけはなく、ましてやほんとうの駆け引きなど出来るわけはない。

 援助をしてもらうよう、わたしなりに考え思っていることを伝えるしかない。

 そのつたないプレゼンで、せめて熱意だけでも伝わって欲しい。

 必死にそう願いながら、言葉を伝え続けた。
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