「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「でしょうな」

 エルキュールは、おおきく頷いた。

 彼は体格はいいけれど、太っているわけではない。がっしりしているといっていい。背もわりと高く、全身筋肉質なのがスーツを通してもよくわかる。

「アイ、申し訳ないね。わたしも商売をやっている以上、損得勘定で物事を考えてしまう。従業員たちも養わねばならないのでね」
「わかっています」

 今度は、わたしが頷く番。
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