「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
「金銭的には、ですが。しかし、多くの人たちに感謝され、尊敬されます。感情的には、得をすると思います」

 機嫌のいい小鳥たちのにぎやかなお喋りが、静まり返ったテラスに流れてくる。

(小鳥たちは、どういう会話を交わしているのだろう)

 こんな大切なときなのに、そんなどうでもいいようなことをふと考えてしまった。

 そのとき、ジョフロワと目が合った。すると、彼はやさしい笑みをその美しすぎる顔に浮かべた。

「叔父上の負けですね」

 ジョフロワは、わたしと視線を合わせたまま言った。
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