「きみを愛することはないし、きみから愛されようとは思わない」と宣言した旦那様と宣言された私の結末~それでしたら旦那様、あなたはあなたが真に愛する人とお幸せに~
 エルキュールとジョフロワを慈善病院に案内した。

 彼らは、真剣に見てまわった。

 ときにはわたしに、ときにはシスターや医師や看護師や患者たちに、質問をしたり雑談をしたりした。

 正直なところ、彼らがここまで真剣に考えてくれるとは思ってもいなかった。

 その質問の内容が具体的だったからである。

 援助するとかしないとか、そういうレベルではない気がする。

 とくにジョフロワの質問は、専門的なことにまで及んだ。そんなことを知ってどうするの? とききたくなるような質問である。
< 45 / 294 >

この作品をシェア

pagetop